御年81歳のアンソニー・ホプキンス。『羊たちの沈黙』で演じたハンニバル・レクター博士役でアカデミー主演男優賞を手にするなど、演技派俳優として60年以上第一線で活躍している。元々20代から演劇界で活躍していたホプキンスが映画で成功をおさめたのは30歳頃と、比較的遅咲きだった。今回は丁度そんなキャリアの節目にいた、31歳当時のインタビューをピックアップ。50年前の若かりし名優は一体どんなことを考えていたのか。
アンソニー・ホプキンス「重要なのは熱意であり、制作であり、懸命に働くこと。それが名優を作る」
ひっかかるのは、誰もが演じるのを真剣に捉えすぎなことだよ。もちろん給料をもらってる分実際の仕事は真剣に取り組むけど、俳優が気持ちを入れすぎたりするのはだめだな。客観的に自分を見て、笑えるぐらいじゃないと。
英メディア『The Guardian』のアーカイブ記事『Anthony Hopkins, the reluctant actor – archive, 1969』にて
俺にとって演じることはあくまで仕事なんだ。だからなんで俺が何色のパジャマを着てるかとか女性に何を求めているかが話題になるのかわからない。俺の才能でさえどうでもいいことなんだ。重要なのは熱意であり、制作であり、懸命に働くことだ。それが名優を作るのに繋がるんだ。
英メディア『The Guardian』のアーカイブ記事『Anthony Hopkins, the reluctant actor – archive, 1969』にて
アンソニー・ホプキンス「演じることなんて三流の芸術さ」
イギリスの演劇監督のティロン・ガスリーがかつて言った。30歳までに5つの素晴らしい役を演じなかった役者は売れない俳優だってな。俺は31歳で、そういう役はほとんど演じてないけど、今だって大物の俳優になって演じたいって思っているよ。もちろんハムレットを演じたいし、違う環境でクラウディスももう一度演じたいんだ。
英メディア『The Guardian』のアーカイブ記事『Anthony Hopkins, the reluctant actor – archive, 1969』にて
演じることなんて三流の芸術さ。俺らは給料をもらいすぎているし有名すぎる。役者は嫌いだが、演じるのは好きなんだ。仕事にしているのが恥ずかしくなるよ。他のことをしなければならないと思う。うぬぼれて気持ち良くなって、金や名声に目がくらめばいいんだけど、本当にこの環境が嫌なんだよ。映画を作るっていう最も楽なことをしていると詐欺師みたいな気分になる。自分の両親がピーナッツ工場で一生働き続けていたことを思うと簡単すぎるし、なぜか間違っているとも思うんだ。
英メディア『The Guardian』のアーカイブ記事『Anthony Hopkins, the reluctant actor – archive, 1969』にて
参考記事:Anthony Hopkins, the reluctant actor – archive, 22 October 1969 | Film | The Guardian
https://www.theguardian.com/film/2019/oct/22/anthony-hopkins-the-reluctant-actor-archive-1969
(画像は『anthonyhopkinsfanpage 2019年11月20日付Instagram』のスクリーンショット)