アンジェリーナ・ジョリーは、2013年に両乳房切除、再建手術を受けた。さらに、2015年には両側の卵巣、卵管を切除する手術を受けている。当時、健康な臓器を切除する決断を下したのは、56歳の若さで乳がんで亡くなった実母の影響だった。アンジェリーナ・ジョリーが遺伝子検査を行った結果、BRCA1遺伝子に変異が見つかった。乳がん、卵巣がん発症のリスクがそれぞれ80%、60%に達することがあるものだ。一度目の手術から約6年半の歳月が経った今年10月、アンジェリーナ・ジョリーは米メディア『Time』に寄稿記事を発表した。病気や健康と向き合うことやかけがえのない子供たちへの思いについて語っている。
アンジェリーナ・ジョリー「傷跡はこれまで乗り越えてきたことを思い出させるもの」
これまでの自分の経験や他者と会話することで理解に至ったのは、人の『ケア』が必要なのは医療の面だけではないということです。それは、安全であり、尊厳であり、ストレスを抱える女性へのサポートに関しても必要です。ほとんどの場合、その『ケア』は十分に行き渡っていません。
米メディア『Time』でのアンジェリーナ・ジョリー寄稿記事にて (2019年10月24日更新)
これまで私が下した決断やそれが公表されることについて、私に影響があったかよく聞かれます。子供たちが大人になるのを見届け、彼らの孫にも会えるよう、自分に良い影響を与える決断を下しただけだと思っています。
米メディア『Time』でのアンジェリーナ・ジョリー寄稿記事にて (2019年10月24日更新)
私の希望は、できる限り長い年月を子供たちの人生に尽くし、彼らのために存在することです。私のこれまでの決断が少しでも長生きすることに役立つことを願っています。
米メディア『Time』でのアンジェリーナ・ジョリー寄稿記事にて (2019年10月24日更新)
これまでの手術の影響で、体の変化を感じます。ですが、気にしていません。私は生きていて、今のところ、自分が受け継いだ全ての問題に立ち向かえています。他の女性ともっと繋がりを感じられるようにもなったし、これまで会ったことのない方と健康や家族についてかなり個人的な会話をしています。
米メディア『Time』でのアンジェリーナ・ジョリー寄稿記事にて (2019年10月24日更新)
手術跡についてどう感じるかもよく聞かれます。私は、傷跡はこれまで乗り越えてきたことを思い出させるものだと思ってます。手術跡も私たち一人ひとりの個性の一部なのです。多様性は人間の存在において最も美しいことの一つです。
米メディア『Time』でのアンジェリーナ・ジョリー寄稿記事にて (2019年10月24日更新)
アンジェリーナ・ジョリー 「安全で愛されていると感じて初めて、人は最高のポテンシャルを発揮できる」
耐えるのが最も辛い傷は、時として目に見えない心の傷です。これまで出会った患者さんの全員が、愛する人からのケアとサポートが病気と向き合うために最も重要であると言っていました。
米メディア『Time』でのアンジェリーナ・ジョリー寄稿記事にて (2019年10月24日更新)
医療の面だけではなく、精神、情緒の健康、心身の安全が同様に大切です。私たちは特定の癌や病気が特定の女性に与える影響について注目しがちですが、大局的な診断を怠っています:家族との関係、安全、健康や日々の生活に影響を与えているストレスがないかなどです。
米メディア『Time』でのアンジェリーナ・ジョリー寄稿記事にて (2019年10月24日更新)
誰も健康に影響を及ぼすまでの不安やプレッシャーを抱えるべきではありません。しかしこれが現実です。人を労り、傷つけるべきではないと気づいて困るような人がいるべきではないのです。安全で愛されていると感じて初めて、全ての人が最高のポテンシャルを発揮できるのです。
米メディア『Time』でのアンジェリーナ・ジョリー寄稿記事にて (2019年10月24日更新)
(画像は『disneymaleficent 2019年8月25日付Instagram』のスクリーンショット)
参考記事:Angelina Jolie: What I’ve Learned About the Care Women Need | Time
https://time.com/5709290/angelina-jolie-cancer-research-prevention/
Angelina Jolie’s surgery to reduce her risk of ovarian cancer | Cancer Australia
https://canceraustralia.gov.au/about-us/news/angelina-jolies-surgery-reduce-her-risk-ovarian-cancer